なぜラジオが好き?
なぜラジオが好き?
・・・そういえば、じっくり考えたことがない。
あるのが当たり前。ないのは困る。とても困る。
気付いたら、すでに、日常生活に深く入り込んでいたラジオ。
ラジオがある限り、これからもずっと聴き続けていくのは確かだ。
去年の10月に、大型の台風が関東を直撃した。
台風に備えて、ガムテープで窓に目張りをし、浴槽に水を溜め、
おにぎりを用意した。
普段なら台風だからといって、ここまで準備することはない。
何もせず、ただ過ぎ去るのを待つだけだ。
それが、今回の台風は今までとは規模が異なり、
場合によっては避難が必要なほど危険だと、数日前から言われていた。
そして迎えたその日も変わらず朝からラジオを聴いていた。
いつも聴いている番組が、台風の影響で少し違う番組に聴こえてくる。
リスナーが今現在の身の回りの情報を番組に送り、
それをパーソナリティが伝える。
気象予報士が、台風の規模や今後の進路情報を伝える。
聴きなじみのある声が、いつもよりゆっくりとした口調で、
いま必要な情報を伝えてくれる。
そんな台風という非日常の中、
普段から慣れ親しんだ声がラジオから聴こえてくることは
何だかとても安心できる出来事だった。
台風のせいで、何かよくないことが起きてしまうかもと不安に駆られ、
ざわざわとしていた心が落ち着き、呼吸も安定した。
ラジオがあってよかった。
心細い気持ちがどんどん小さくなった。
そのとき、ラジオは私の味方だった。
・・・あぁ、そうか。
ラジオは私の味方だから好きなのか。
そういうことか。